「描けません」と言われて・・・

 描画で、「描けません」と言われた時を思い出します。私は黙って、ジックリと壁のようになりました。定まらず話していたその子が、下を向いて、静かにしていたかと思うと、或る瞬間、手が自然に動き出して一気に描き始めたのです。まるで心が言葉支配からシフトした様に、描き続けました。

 箱庭療法でも、トラウマで「眠れへん」と言っていた子どもは、最初砂を上から雨のように振らせるだけでした。私は壁のように座っていただけでした。その後、憑かれた様に表現をし続けました。

 こうしてただ他者との壁を越えて座し、深いところでは何か共感していた経験から、マインドフルネスが想起されました。マインドフルネスの「慈愛の瞑想法」様な私の状態は、子どもに何か影響をし、子どもは表現したようです。

 マインドフルネスを導入してアートセラピーを行うことは、こうした経験から経験的に効果がある事がわかります。

 瞑想から表現へは、一見違う様ですが、マインドフルネスの「今、ここ」で想像する時、イメージの力が動きだします。

【参考:図解 マインドフルネス ―しなやかな心と脳を育てる―2016/6/13

ケン ヴェルニ、 中野 信子144頁】


心のキーステーション

【マインドフルネスとアート・セラピーが醸し出すハモニーです】マインドフルネスは、瞑想を用いる心理療法です。アート・セラピーはアートが持つ力を用いる心理療法です。

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