A君は何故か作らない・・・+方向には行かない人

小学校6年生のA君は粘土人形制作をする事になった。「12年後の私」と言うテーマで人形を作るはずがそのテーマも消化できなかった。粘土で作る人形のセットの中に、芯として付いている針金が骸骨の様な形態になっているものがある。針金の芯材の周りに、粘土を肉付けしていくと自然に人形になることになっている。セットとは大抵プラス+方向に手を入れ、付け加えて行けば、自然に完成していく事になっている。

 しかし、A君は拒否した。そもそも12年後の自分もイメージ出来なかったし、想像拒否した。それだけでなく、其の針金の両足と胴体を切り離してねじ切ってしまっていた。−マイナス方向に進めることに、本来の意志を表現したように、A君のボデイはねじ切られてしまった。

A君の目は宙をさ迷うような目だった。住んで居る世界が別であるかのように浮いているような目をしていた。勿論、問題児。作品にもこころが表現されていたように。アート作品を見る時、表現されているものばかりを見る傾向が多いが、表現を拒否された中にも、多くのサインが眠っている事が多い。表現拒否する本当のこころの実際表現。思春期の入り口にいるA君、社会的にぶつかって行くこれからの事・・こころのサインは多くを語って、みとれる事になった。

心のキーステーション

【マインドフルネスとアート・セラピーが醸し出すハモニーです】マインドフルネスは、瞑想を用いる心理療法です。アート・セラピーはアートが持つ力を用いる心理療法です。

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