ゴッホの木を、バウムテストで読み解く・・

 臨床心理の現場ではバウムテストはよく用いられています。バウムテストでは実のなる木を一本描いて貰うのが主流ですが、単なる木とだけ言う場合もあります。また、1本描いた後に、2本目を描いてもらったり、3本目を描いて貰うテストもあります。そこまで多様にしても、用いやすいのは何故でしょうか。自ずと自分が投映、映し出されてしまう木を分析解釈するのは容易い事と,何よりも「樹木を描くこと」に,親しみ易さが有ると思われます。元より、「樹木を描くこと」に,何か深い意味が存在しているのかもしれません。人が原始より共にあった樹木に原初的で象徴的なイメージを見て,オートマテイックに自己を重ねることがあるのではないでしょうか。ゴッホの場合も樹木を沢山描き残しています。ゴッホは表現主義の先駆けともされていますが、直情的なひまわりからもわかるように、自分を木に映し出して見えます。実際、彼は書簡も多く残していて、その頃の彼が何を考えていたかなどもわかります。ゴッホの残した樹木画を読み解く事は、タイムカプセルを紐解くように、彼のパーソナリテイを身近に浮かび上がらせることだと思います。

17才

32才

37才 木が無くなって、間もなくゴッホも亡くなった。

心のキーステーション

【マインドフルネスとアート・セラピーが醸し出すハモニーです】マインドフルネスは、瞑想を用いる心理療法です。アート・セラピーはアートが持つ力を用いる心理療法です。

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